肌トラブルの前に保湿剤の悩みがたくさん
子どもの肌は皮膚が薄くて乾燥しやすく、乾燥が肌トラブルの一番の原因になることが多いです。肌トラブルを起こす乾燥から肌を守るために保湿剤を使用します。しかし、保湿剤には、市販されているものから病院・クリニックで処方されるものまで数多くの種類があり、どの保湿剤を使ったらいいの?子どもの肌に合わなかったのかな?いつ塗ったらいいの?などのお悩みは尽きません。
少しでも参考になるようにここでは保湿剤の種類や選び方、使い方をまとめてお伝えします。
保湿剤はいつ使ったらいいの?
保湿剤はステロイドなどのお薬とは異なり、肌の水分を与えたり、水分が逃げないような役割しかありません。そのため、どんなに多用しても保湿剤の成分そのものが直接肌に影響を与えることはまずありません。(ステロイドも正しく使えば、よくない影響はありません)
よく空気が乾燥しているから、肌がカサカサしているかもと気になると塗るというお話を聞きますが、お子さんが嫌がらなければ気づいたら保湿剤を塗る!というほど頻繁に塗っても構いません。保湿剤は肌が乾燥しないようにするために塗るので、乾燥する前から保湿をすることが大切です。少なくとも1日2~3回程度は塗るようにして、乾燥から肌を守りましょう。
保湿剤の種類、メリット・デメリット(ローション、オイル、クリーム)
保湿剤と一口に言っても、皮膚に水分を取り込んで乾燥を防ぐタイプのもの(モイスチャライザー)、皮膚の表面に膜を張って水分の蒸発を防ぐタイプのもの(エモリエント)という2つに大きく分けることができます。
小児科で処方されることの多い保湿剤は、水分を取り込むタイプにはヘパリン類似物質や尿素配合のローションやクリームなどがあります。水分の蒸発を防ぐタイプには、ワセリンやオイルなどがあります。それぞれの特徴を知って、体の部位や症状別に使い分けると効果的です。それぞれの保湿剤の種類と特徴について見ていきましょう。
小児科で子どもに処方することの多い保湿剤は、以下の5種類です。
モイスチャライザー
種類 | 特徴 | その他 |
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軟膏 |
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クリーム |
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ローション |
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フォーム(泡) |
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スプレー |
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エモリエント
種類 | 特徴 | その他 |
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ワセリン |
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保湿剤の選び方のポイント
肌が乾燥している場合には、肌の中にいる水分が減っている状態のため水分を取り込むタイプのもの(モイスチャライザー)をまずは選ぶようにしましょう。肌に充分な水分が無い状態で水分の蒸発を防ぐタイプのもの(エモリエント)を使用してもうまく効果が発揮できません。肌の乾燥が気になる場合はまずは、軟膏やクリーム、ローションなどで水分を補給することが大切です。その上からワセリンなど水分が逃げないよう2段階で保湿剤を塗ることがポイントです。
また季節や肌の乾燥具合によっても、使い分けることもおすすめです。例えば、湿度の高い夏はベタベタするためさっぱりとしたローションを使う。湿度の低い冬は保湿力の高い、軟膏やクリームを中心に使用するなど、子どもが嫌がらずに続けられる方法を探しながら保湿をしてあげるようにしましょう。
保湿剤の塗り方
保湿剤は種類や部位によっても塗り方が異なります。ムラなく、隈なく塗ることが基本ですが、ベタつきのある軟膏やクリームは指先に出してから、皮膚をカバーするように塗り、ローションやフォームなどさらっとしたものは手のひらで薄く延ばすように塗りましょう。軟膏やクリームは、ティッシュを軽く当てたときに肌に張り付いて落ちない程度のベタベタ具合が一つの目安です。
またお風呂あがりは、肌に水分が吸収されている状態で保湿のチャンスです。肌に水分がある状態のうちに保湿剤を塗ると効果的ですが、時間が経つと肌が乾燥してしますので、お風呂あがりはできるだけ早く保湿剤を塗るようにしましょう。
保湿剤を嫌がるお子さんの対応
保湿剤を塗ろうとするとお子さんが嫌がってしまって、塗るのが大変、諦めたことがあるという方は少なくありません。肌がベタベタするから嫌がる場合やお風呂上りは寒いからすぐに服を着ようとするなどお子さんが嫌がる理由にも様々あります。ベタベタするのが嫌!という場合には、ローションやフォームタイプのものを使ってみてもいいかもしれません。またお風呂上りが寒い!という場合には、脱衣所をヒーターなどで温めておくなど、落ち着いて保湿剤を塗れる状況を作ることもポイントです。うまく濡れない場合には、小児科で相談してみると良いでしょう。